■ 卵巣癌の早期診断に役立つ可能性のある症状 ■ 提供:Medscape
婦人科癌基金が発表した卵巣癌の症状に関する第1回全米コンセンサスは、新たに発現し持続する規則的な症状が早期診断の助けになると結論づけた
Laurie Barclay, MDMedscape Medical News
【6月20日】婦人科癌基金(GCF)による卵巣癌の症状に関する第1回全米コンセンサスは、新たに発現し持続する規則的な症状、すなわち鼓腸、骨盤痛または腹痛、摂食困難または早期満腹感、および尿症状などが、卵巣癌の早期診断の助けとなる可能性があると6月13日に発表した。
「過去10年間に、卵巣癌がサイレントキラーであるという神話を崩す研究が数多く行われた」と、コンセンサス委員会のリーダーを務めるワシントン大学(シアトル)婦人科腫瘍学の教授および部長であるBarbara Goff, MDはMedscapeに語った。「卵巣癌には、早期診断につながる可能性がある、無視すべきでない症状があることを、公式に表明するべき時が来たと、医学界では意識している。卵巣癌は極めて重大な結果をもたらすため、我々は、卵巣癌を疑うきっかけにすべきこれらの症状の特徴を、女性および開業医に自覚させる必要がある」。
女性において卵巣癌は最も致命的な種類の生殖器の癌であり、癌死の原因の中で5番目に多い。年間の新規患者数は22,000人であり15,000人が死亡している。卵巣癌の約80%は進行癌になるまで診断されず、そのことが低い生存率に関連する。
「[GCFの]提言は、患者だけでなく臨床医においても、卵巣癌に関連する可能性のある症状への関心を高めるのに役立つだろう」と、メモリアル・スローン・ケタリング癌センター(ニューヨーク州ニューヨーク)の婦人科腫瘍学の代表で外科臨床部門の副代表を務めるRichard R. Barakat, MDはMedscapeに語った。
Barakat博士はGCFコンセンサス会議の関係者ではなかったが、第三者としての論評を求められた。「臨床医の教育は重要である。[なぜなら]これらの症状を有する患者は、婦人科医に紹介される前に内科医または胃腸病専門医を受診することが多いからである」と博士は述べた。「患者が早い時期に症状を認識した結果、転帰が改善するということは証明されていないが、この可能性は確かに存在し、さらに検討する必要がある」。
卵巣癌患者が経験した症状の報告を受けて、Goff博士らは、卵巣癌の女性においては一般集団の女性よりも特定の症状の頻度が非常に高いことを見出した。これらの症状には、鼓腸、骨盤痛または腹痛、摂食困難または早期満腹感、および尿意促迫または頻尿の尿症状が含まれる。
「症状は特異的ではなく、我々は皆、これらの1つまたは複数の症状を時々経験したことがある」とGoff博士は言う。「卵巣癌の症状がそれらと異なるのは、今までずっと経験していた症状ではなく新たに発現した症状であること、毎日または1日おきに規則正しく発現すること、そして数週間以上持続することである」。
コンセンサス委員会は、これらの症状を数週間以上にわたってほぼ毎日経験している女性は、医師、できれば婦人科医を受診すべきであると勧告した。なぜなら迅速な受診によって、予後が良好な段階の、可能な限り早期の卵巣癌を診断できる可能性があるからである。卵巣癌の有効なスクリーニング検査がないことから、早期発見には症状の認識と定期的な内診が不可欠である。
「我々は症状の同定が卵巣癌の早期発見につながるということを100%確信しているわけではないが、その可能性があることから、この提言を実行することが転帰にどのような影響をもたらすかを知るためにさらに研究を行う必要がある」と、Goff博士は述べている。「たとえ寛解率90%のI期でも、患者はこれらの症状を有する。もし女性が早期癌でもこれらの症状を有するなら、我々はこれらの症状を認識することによって、寛解の可能性が20-30%の進行癌ではなく、寛解の可能性が70-90%の早期癌の段階で卵巣癌を診断できる可能性がある」。
卵巣癌の女性は、疲労感、消化不良、腰痛、性交時の痛み、便秘、および月経不順のようなその他の症状をしばしば報告するが、これらの症状は、一般集団の中の卵巣癌ではない女性においても等しい頻度で認められるため、卵巣癌の診断には役立たない。
GCFが2007年5月に実施した全米調査では、卵巣癌の症状を知ることが重要であるという点に女性が同意していることが明らかになったが、65%の女性は、十分な情報をもっているとは感じていなかった。したがって、女性および医療提供者に対する情報の普及および教育の必要性が大である。
「これらの症状およびそれらが卵巣癌と関連する可能性があることを強調することによって、特にこれらの症状が数週間持続する場合には、より多くの女性が医療機関を受診する可能性がある」とBarakat博士は述べた。「卵巣癌は乳癌や肺癌のような他の癌よりもずっと一般的ではないため、患者教育が遅れている。一般の認識が高まれば、もしかするとより多くの患者が早期癌の段階で診断されるかもしれず、もしかすると卵巣癌による死亡者の減少につながるかもしれない」。
Barakat博士は、スクリーニングのための臨床検査に関する更なる研究の必要性についても強調した。
「この疾患の最も重要な研究分野の一つは、早期卵巣癌を検出できる新規バイオマーカーの開発であろう」と同博士は語る。「現在のところ、我々が利用できる最良の検査はCA-125の血液検査である。この腫瘍マーカーが上昇するのは早期卵巣癌の患者の50%にすぎず、この疾患の有効なスクリーニング手段であるとは認められていない」
「我々の目的は人々を怖がらせることではなく、これらの症状が持続する場合は卵巣癌または他の重篤な疾患の徴候である可能性があるという知識を人々に与えて身を守らせることである」とGoff博士は結論づけている。「もしこれらの症状のため卵巣癌が疑われ、疑わしい腫瘤が検出されたなら、婦人科腫瘍専門医を受診することが女性にとって非常に重要である。その状況で、もし卵巣癌があれば、女性は適切な手術を受ける可能性が有意に高く寛解の可能性が高くなるため、生きるか死ぬかの分かれ目になることがありうるだろう」
卵巣癌症状コンセンサス声明の作成組織は、GCFの他、婦人科腫瘍医学会(Society of Gynecologic Oncologists)および米国癌学会である。支持組織は、CancerCare、Conversations: The International Newsletter for Those Fighting Ovarian Cancer、EyesOnThePrize.org、FORCE: Facing Our Risk of Cancer Empowered、Gilda's Club Worldwide、Gynecologic Oncology Group、In My Sister's Care、International Gynecologic Cancer Society、Lynn Cohen Foundation for Ovarian Cancer Research、National Coalition for Cancer Survivorship、National Cervical Cancer Coalition、National Ovarian Cancer Coalition、Ovarian Cancer Canada、Ovarian Cancer National Alliance、Ovarian Cancer Research Fund、SHARE: Self-Help for Women with Breast or Ovarian Cancer、および婦人科看護師腫瘍医協会(Society of Gynecologic Nurse Oncologists)である。